ドミニカ

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● グリフィン・グリフィノス

価格に対する満足度: それなりに高級感のある良い味わいだが、コストはやや厳しい。

特徴: ”ダシ”が効いた味わい。口当たりは柔らかく、少しだけスパイシー。エグ渋味がやや強い。

サイズ: 直径約7mm 長さ約83mm

味のタイプ: 旨み、コク、スパイシー、エグ味 (加湿後はよりマイルドでウェットな味に)

悪い点: 特になし。

味の好み: ★★★ 普通

コストパフォーマンス:  いまいち

ドミニカ製。20本1800円。白を基調としたデザインの缶入り。フィラーとバインダーにドミニカの葉、ラッパーにはエクアドルの葉を使用との事、やや葉脈が目立つ印象で、綺麗に揃った狐色をしています。「100%Tabacco」の文字がみられます。サイズはミニシガリロのようです。

出だしで感じられるのは、”ダシ”の効いた強い旨みの味わいとコクです。香りはそれほど強くないですが柔らかくて、まあまあな感じです。口当たりもやわらかで、未加湿の状態だと、ごく僅かにじんわりとしたスパイス感と、エグ味が感じられます。ハバナ系のような甘味はありません。後味にエグ渋味がやや目立つようで少し気になります。

ダシのきいたスープのような強い旨みと、まろやかなコクが持ち味のようです。似たような味のミニシガリロはデンマーク製のノーブルプティ・ドミニカン辺りでしょうか。旨みの強さはグリフィンのほうが圧倒的に強い感じで、ノーブルプティ・ドミニカンの方は味は一段落ちますが、お手ごろな値段です。

加湿なしでもマイルドで、なかなか味わいがあると思いますが、十分に加湿すると、まろやかさが更に増し、気になっていたエグ味もやや落ち着いて良い感じです。

非ハバナのミニシガリロとしては、味わいのある部類と思います。旨みの強いシガリロを求めている人にはピッタリでしょう。個人的には、マニトウ・シガリロの2倍近いコストでは、常喫はやや厳しいかなと思います。個人的には、ノーブルプティ・ドミニカンでガマンしたい所です。

 

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● ドンディエゴ・ミニチュア

価格に対する満足度: 価格相応。

特徴: どこか女性的な甘い味わいと香りが、特徴的。旨みもあり、口当たりは極めて柔らか。

サイズ: 直径約9mm 長さ約90mm

味のタイプ: 甘さ主体、マイルド、旨み、気にならない程度のスパイス感とエグ味

悪い点: 特になし。

味の好み: ★★★★ 良い

コストパフォーマンス: ★★ まあまあ

ドミニカ製。8本800円。プレミアム・シガーの”ドンディエゴ”のミニチュア・シガー。サイズはやや太めのシガリロで、同国製のワイズガイズとほぼ同じサイズで、クラブサイズに近い印象です。ラッパーはドミニカ産によくみられる綺麗な狐色です。ケースには、「100%Tabacco」の文字がみられます。一本ずつセロファンに包まれており、鼻を近づけるとどこか蜂蜜や花の香りを思わせるような甘い香りがします。甘い香りがすると言っても、人工的な香料は使われていないはずです。

出だしで感じられるのは、甘みと、柔らかな旨みです。ごくわずかですが、スパイス感とエグ味が感じられますが、ほとんど気にならないものです。香りも柔らかく甘い感じでなかなか良いです。吸い込みは楽な感じです。

ナチュラルな甘みが中心で、旨みもしっかりと感じられ。とても口当たりが優しく、雑味は少ない印象です。価格相応の満足度です。

後半から、エグ味やスパイス感などの雑味が無くなるようです。終始、甘みと旨みが衰える事はありませんでした。嫌味は出にくい気がします。

似たような味のシガリロは思い当たりません。それくらい味は個性的ですが、奇抜というような悪い意味ではありません。ハバナ系ほど複雑ではない気がしますが、そこそこに深さもあり、葉巻らしさも感じられます。

この値段で買える非ハバナのクラブサイズのシガリロとしては、なかなか美味な部類だと思います。個人的には、ドンエステバン・シガリロのほうが常喫に向いている気がしますが、たまにはいい感じです。

 

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● ワイズガイズ・コニャック

価格に対する満足度: 葉巻らしさに関しては期待はずれ、フレーバーものとしてはまあまあ

特徴: しっかりとしたフレーバー中心の味わいで、葉巻らしさはあまり無し。

サイズ: 直径約9mm 長さ約89mm

味のタイプ: 着香重視、薄味、ややエグ味

悪い点: 薄味。思ったほどは葉巻らしさは無し。

味の好み: ★★★ 普通

コストパフォーマンス: ★★ まあまあ

ドミニカ製。10本800円。サイズはやや太めのシガリロで、クラブサイズに近い印象です。ラッパーは光沢はありませんが、綺麗な狐色です。一本ずつセロファンに包まれて缶に入っており、鼻を近づけるとバニラのような甘ったるい匂いがします。

わりと薄味で、肺喫煙できそうなほどです。重くないので吸いやすく酔う心配も無さそうです。香りは甘い感じです。ボディの感触が硬くて吸い込みはやや重く、燃焼はわりとゆっくりです。味の変化があり、中盤からはややエグ味が出ます。終盤少しだけ葉巻らしさは出ますが、ほぼ着香中心の味わいという感じで、全体的に葉巻らしさなくが無く、値段のわりにつまらないという感想です。

味わいに関しては、同価格帯のパンター・ミノンに劣る気がします。ただ、バニラ系のフレーバーがしっかりとしていて、軽くて爽やかなので、気軽に吸えるフレーバーものとしてはまあまあの感想です。

 

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● バルモラル・ドミニカンセレクション・ショートパナテラ

価格に対する満足度: 価格相応。

特徴: やや短いが1本100円台クラスでは味重視の造り。

サイズ: 直径約10mm 長さ約80mm

味のタイプ: 酸味、ビター、マイルド

悪い点: とくに無し。やや独特のクセがある。

味の好み: ★★★ 普通

コストパフォーマンス:  いまいち

ドミニカ製。メーカーはパンターなどで有名なオランダのアジオ社。5本600円。バルモラルはアジオ社の高級ブランドで、ミディアムフィラーのドミニカンセレション、ロングフィラーのロイヤルセレクション等があります。

ミニシガリロと長さは変わらず、かなりショートなパナテラです。シガーバンドには100%ナチュラルリーフの文字が。ラッパーは滑らかで明るいキツネ色。あらかじめ加湿して味わってみました。

出だしで感じるのはコクと酸味。甘さやスパイシーさはそれほどありませんが、旨みはなかなか強く、それでいてキツくは無く、そこそこに複雑で深い味わいで、出だしからなかなかの美味です。香りも強く柔らかい、心地の良いものです。中盤になってからより葉巻らしい主張が強くなり、かすかなナッツの風味と香りが加わります。結構強く、重みがあるので飲み物と合わせると良い感じです。灰の色はかなり黒さが目立ちます。

同社のアジオ・ハーフコロナと比べると、旨みとコクが深まり、雑味が少なくなっている感じですが、アジオ社らしい強さと青臭みはあります。

長さがミニシガリロ並なので愉しめる時間はそれほど長くないものの、味のいいドライシガーです。アジオ社製ドライシガーの独特のクセがありますが、葉巻らしい味のするお手頃なドライシガーを求めている人にはお勧めです。

 

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● プリンシペ・ショート ロブスト

価格に対する満足度: 本当に価格相応で、安葉巻な印象

特徴: 乾いたコクと鉱物的な独特なエグ味のみ、全体的に薄味で極めてマイルド。甘さは無し。

サイズ: 直径約20mm 長さ約100mm

味のタイプ: 乾いたコク中心、鉱物的なエグ味、ビター、ナッティー、マイルド。

悪い点: やや無機質な感じ

味の好み:  いまいち

コストパフォーマンス:  いまいち

ドミニカ製。2011年の時点で、350円。ラ・オーロラ社のローコスト・プレミアムシガー。要シガーカッター。同ブランドに「プリンシペ・ペティ・コロナ」というのが別にあります。こちらの方はこのショートロブストより見た目かなり細く感じます。50円くらいしか違いが無いので折角だから太いのを試しました。ラッパーの色は黄土色。葉脈は目立ち、なめし皮のような風合いです。騎士のような姿が描かれたシガーバンドには、「DOMINICANA」、「HAND MADE」の文字が見られます。

カットしてドローチェックしてみましたが、軽快です。あらかじめ10日ほど加湿して味わってみました。出だしは、ナッツのような風味です。甘味はあまり無く、乾いたコクを感じます。香りもナッツような感じで悪くありません。キツさや、青臭さ、酸味や、辛さや、スパイス感はなく、ふわふわしたマイルドな味のように思います。若干、苦味ともエグ味とも言えない金属的な雑味が感じられます。燃焼速度は普通かややゆっくりな気もします。

同国製のカスケイヤより、フィリピンのタバカレラに近い味に感じます。タバカレラのようなナッティーな風味ですが、タバカレラのような土臭さは無く、独特の鉱物的な雑味はあります。この雑味をどう受け取るかで人を選びそうです。個人的にはあまり好きではありません。

しばくすると、ナッティーな感じはなくなり、乾いたコクと鉱物的な後味が続きます。全般的に薄味で、これだけでは飽きがきそうなので何か味の濃い飲み物を用意しておくと良いと思います。

この無機質でビター寄りな味わいは、トスカーノ・スタイルシガーの「パロディ」を思わせます。しかし、コスト的にはパロディのほうが良いでしょう。タバカレラと比較しても、タバカレラのようなクリーミーさも無く、よく臭み抜きされたタバカレラのほうが美味しいと個人的に感じます。

中盤から鉱物的なエグ味中心となり、中盤でもう、吸いたくないなぁという気持ちになりました。味に良いところがあまり感じられなく、すぐに飽きて、シガーバンドの辺りで止めました。シケモクを興味本位で分解してみた所、ロングフィラーである事を確認しました。

これを買うのなら、味のいいドライシガーや、カスケイヤや、タバカレラの時間を掛けてよく臭み抜きしたものを愉しんだほうが、ずっと良いと思いました。もしかしたら、自分の嗜んだものはハズレだったのかも知れません。

ちなみに「プリンシペ」のキーワードでググってみると、『サントメ・プリンシペ民主共和国』という、"世界で一番マイナーな国家"とまで呼ばれるアフリカの近くの島国の名前がヒットしましたが、詳細は不明です。ポルトガルの流刑地だった過去があり、奴隷貿易の中心地だったようです。近代では、キューバなどの社会主義国家と親密だった事もあったとの事。

 

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● カスケイヤ・ヌメロクアトロ

価格に対する満足度: 価格相応。300円ならドライシガーでも良い。

特徴: 優しく柔らかな味。味噌汁のような飽きの無い、落ち着いた味。クセは少ない。

サイズ: 直径約16mm 長さ約140mm

味のタイプ: マイルド、オーソドックス

悪い点: 特に無し。低コストなので特別な深さや濃い旨みは期待できない。

味の好み: ★★ まあまあ

コストパフォーマンス:  いまいち

ドミニカ製。300円。プレミアムシガー。要シガーカッター。サイズはほぼコロナサイズです。熟成の浅いラッパーを使用しているのか、明るい色をしています。シガーバンドのデザインはちょっと安っぽく、もう少し拘りが欲しいところです。あらかじめ加湿して味わってみました。

出だしで感じるのは、微かな甘酸っぱさと控えめな旨みです。香りは柔らかく微かな青臭さがあり、特別良くも悪くも無い感じです。辛さや苦さは無くマイルド。少々コクと酸味があるものの全体的にはやや薄めで、人を選びそうな強烈な個性も無く、朝の味噌汁のような所帯じみていて落ち着く味です。

同価格帯のタバカレラ・コロナと比較すると、クセが少なく吸い易い印象です。奥深さをじっくり堪能するような重厚感はありませんが、作業中に吸うような気軽な喫煙を愉しめるという感じです。大きさの割りに燃焼はやや早めで吸い込みも楽です。

嫌味が無いのでなかなかリラックスできました。中盤から終盤にかけて葉巻らしいクセが出てきてやや味わいが濃くなります。強さは中の弱といった程度ではないでしょうか。

300円クラスの低コストプレミアムシガーなので、味がやや薄めなのは仕方の無い事でしょう。ドライシガーのヘンリーウィンターマンズ・ファウンダーズブレンド・ハーフコロナを大きくしたような感じで、驚くほど美味という訳では無いです。しかし価格相応の満足度ではないでしょうか。個人的にはまた吸いたい衝動は無く、別にドライシガーでも良い感じです。

 

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● プライベートストック・No.9

価格に対する満足度: 今ひとつ。それなりという感じ。

特徴: ほのかな甘味とコクと旨みで口当たりマイルド。クセが無く吸いやすい。

サイズ: 直径約10mm 長さ約115mm

味のタイプ: マイルド、甘口、ややスパイシー

悪い点: 特に無し。

味の好み: ★★★ 普通

コストパフォーマンス:  いまいち

ドミニカ製。340円。ダビドフのセカンドライン、プライベートストック(PS)のナンバーズブランド。その中でも価格の控えめなナンバー9です。サイズはやや大きめのクラブサイズシガリロやショートパラテナに近い印象です。裁断して巻きなおしを行ったプライベートストック・ミディアムフィラーシリーズという姉妹品がありますが紛らわしい事にそれとはまた別物です。こちらはロングフィラーでシガーバンドも異なります。

ダビドフの検品で主に色の基準にパスできなかったものが、このPSのナンバーズとして販売されている、とよく説明を見ますが、実際は初めからPSのブランドとしてローコストで製造されているものだという話も聞きます。実際はどっちなのか定かではありません。前者が正しいのなら味はダビドフの正規品とそれほど差が無いはずです。後者が正しい場合は、前者の説明をしている販売店は嘘をついている事になります。

ラッパーは明るい黄土色でスベスベした感じです。あらかじめ加湿して味わってみました。火をつけてから吸い込みが物凄く悪かったので焦りました。すかさず串を吸い口に刺してドローを改善させました。

まず感じるのはささやかな甘味とコクです。クセや土臭さはなくマイルドな口当たりです。細い為か、ややスパイシーで辛さは若干ですが出やすいようです。香りは微かに青臭く柔らかですが、特別に愉しいものでもありません。

プライベートストック・ミディアムフィラーと味は似ていますが、こちらのほうが味に安定感があり、旨みも若干あるような気がします。小さめのプレミアムシガーなので喫煙時間は短めです。味に終始変化は無く、ささやかな旨みとコクと甘味が終盤まで感じられました。

クセが無くマイルドで吸い易い葉巻ですが、300円前後なら、まあそれなりという感じです。個人的には驚くほど美味とは感じませんでした。コストパフォーマンスだけを追求するなら、モンテクリスト・クラブやコイーバ・クラブ等のハバナ・ドライシガーを吸ったほうがリーズナブルですし、強いインパクトが得られます。経験した同価格帯のプレミアムシガーではチンチャラレロ・ペルラが近い味わいである気がします。しかしこれにもボリュームや価格面で劣ります。

ダビトフというブランドイメージで、プライベートストックの中でも低コストなこのナンバー9に過大な期待はしないほうが良さそうです。

 

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● プライベートストック・ミディアムフィラーNo.3チューボ

価格に対する満足度: 価格を考えると、また吸いたいとは思えない。

特徴: コクや旨みは薄いが、嫌なクセは少ない。

サイズ: 直径約6.5mm 長さ約134mm

味のタイプ: マイルド、オーソドックス

悪い点: 特に無し。個人的印象では、つまらない味。

味の好み:  いまいち

コストパフォーマンス:  いまいち

ドミニカ製。330円。このミディアムフィラーシリーズは、ダビドフの検品で不良だったものを裁断して巻きなおしてリサイクル品として製品化したもの。紛らわしいですが、ロングフィラーのプライベートストック・ナンバーズシリーズとはまた違うものです。アルミチューブ入りで、プレミアムシガーですが、最初からパンチカットされています。サイズはパナテラ。あらかじめ加湿して味わってみました。

出だしから感じるのは、上品な甘味です。辛さや苦さもなく口当たりは軽めですが、雑味が少なく嫌なクセはありません。香りは少しキツめ青臭みがあり、特別愉しくはありませんでした。甘味を感じたのは序盤のみで、そこからややマイルドな薄味になりました。中盤にかけて香りが甘味や香ばしさを帯び柔らかくなっていきました。

かなり口は悪いですが、ニナスのような最低コストクラスのミニシガリロをパナテラサイズに巨大化したかのような、大味という印象しかありません。こんな葉巻で酔ってもつまらないので中盤で休止符を打ちました。元々葉巻として作ったものを裁断してフィラーにしているものなので、味が雑なのも道理かも知れません。製造の性質上、製品のバラつきはある程度あると思われます。

嫌味や強烈なクセが少ないので吸い易いとは思いますが、美味とは感じず1本300円相当の満足感は得られませんでした。

 

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