イタリア

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● トスカネロ・アロマ・アニス

価格に対する満足度: コストを考えるとパロディのほうに手が伸びそう。

特徴: 深みがあり、ストロングな味わい。独特の燻製臭。燃焼速度やドローは思ったより普通。

サイズ: 直径約9〜13mm 長さ約75mm

味のタイプ: 強いコク、スパイシー、トスカーノの独特の燻製のようなクセ

悪い点: 特になし。イタリアンシガー独特のクセあり

味の好み: ★★★ 普通

コストパフォーマンス:  いまいち

イタリア製。5本紙箱入り。箱の上部に「TOSCANO」と誇らしげに掲げられている通り、イタリア伝統製法のシガー「トスカーノ」です。これはそのアニス・フレーバーです。箱の上からセロファン包装されていますが、セロファンの上から鼻を当ててもアニスの香りがします。箱には「IL SIGARO ITALIANO DAL 1818」と書かれています。一見すると、チョコレート菓子のような外観で、箱は割と小さめで、紙巻煙草の箱より少し横幅が広いかなと思う程度です。アメリカ製のトスカーノスタイルシガー「アヴァンティ」の箱が大きかったので余計ギャップを感じます。

フレーバーはこの他にも、コーヒーフレーバーが発売されています。個人的にアヴァンティでアニス・フレーバーがクセになっていたので、こちらを選びました。アニスはヨーロッパでは広く普及しているスパイスで、アブサンなどのリキュールにも香料として用いられます。日本人には比較的馴染みの薄いものと想像します。

封印シールを切って箱を開けると、シガーが無造作に(吸い口が交互に逆に揃えられて)5本入っています。この無造作な感じはパロディと似ていますが、パロディと比較すると、サイズの揃い、ラッパーの表面状態、どれもこちらのほうが綺麗に整っています。ラッパーは葉脈が荒々しく、指で押してみましたが、同国製のアマゾン・キャバリエのようにカッチカチではなく、ややしっとりとしていて弾力があり、ドローをチェックしてみると少し重いものの、疲れるほどではない気がします。

ラッパーはこげ茶色でイタリアン・ケンタッキー種の黒煙草の葉との事です。サイズは、小さめのハーフコロナ、あるいはセノリタサイズに近いでしょうか。開封後、どんどん香りが抜けて行きそうな印象ですので、ジップロックなどに箱ごと入れておいたほうが香りが持つかも知れません。

火をつけようとした時に気づきましたが、太いほうが巻きの段差が高いようです。その為、ラッパーの燃え方が若干安定しない場合もあるようです。

出だしは、アニスの刺激的な風味と、コク、燻製のようなイタリアン・シガー独特の焦げ臭い熟成感のあるクセのある風味です。かなりスパイシーな味わいで、序盤からもう飲み物が欲しくなります。火を点ける前に、飲み物をコップに注いで目の前に置いておく事をお勧めします。香りもクセが強く、独特の燻製臭がアニスを凌駕します。他のイタリアンシガー同様、コクと深みはありますが、旨みや甘味に関しては乏しいようです。

アメリカ製アヴァンティと比べると、アニスのパンチ力が大人しい感じですが、それでも主張してきます。味わいはアメリカ製パロディによく似ています。これよりもずっと安いパロディと比べると、やや無機質な味わいのパロディに比べて、こちらはフレーバーの味付けがある為ややマイルドで、青臭さと雑味が無い分、味わいは良い気がします。

同国製のアマゾン・キャバリエと比較すると、アマゾンにあったようなクリーミーな感じはあまりありませんが、ドローは遥かにこちらのほうが楽で、燃焼も安定しています。燃焼スピードは終わりに近づくほどゆっくりになるような気もします。

中盤で少し頭がクラっとする感覚になったので、大事をとって休止符を打ちました。強さはやはりややストロングな印象です。

個人的にはアニス・フレーバーは、全面的に主張してくるアヴァンティのほうが好みかも知れません。アマゾン・キャバリエよりやや浅い気もします。コストパフォーマンスはパロディに大きく劣ります。

先行で発売されているトスカーノ・スタイルシガーと比較してあまりコストパフォーマンスはよくない気もしますが、単体としてみれば美味しく、愉しめるシガーだと思います。

 

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● アマゾン・キャバリエ

価格に対する満足度: 強くて長持ち。ボリューム面で満足感が高い。

特徴: コク中心だが、深みがあり柔らかい味。燃焼速度が、とてもゆっくり。強さはやや強め

サイズ: 直径約7〜11mm 長さ約90mm

味のタイプ: コク中心、マイルド、クリーミー、わずかに甘み

悪い点: ドローが非常悪い、火がとても消えやすい

味の好み: ★★★ 普通

コストパフォーマンス: ★★★ 普通

イタリア製。50本5000円。(※2010年の増税で、価格が+1500円の大幅アップとなり、コストパフォーマンスは低下しました。)

木箱入り。イタリアンシガー『アマゾン』シリーズでは比較的小振りなキャバリエです。木箱は簡単で雑な造りなので、単なる飾りと考えるべきです。イタリアン・シガー独特の製法で作られており、多く流通しているプレミアムシガーや、ドライシガーともまた違うものです。トスカーノに似ており、ボディは硬めで、ずっしりと重い感じがします。イタリアン・ケンタッキー葉を使用し、ペルーで製造されているとの事。サイズはやや太めのクラブサイズに近いでしょうか。鼻に当てるとかすかに熟成感のある匂いがします。

同価格帯のパロディと比較すると、サイズはスリムですが、巻きはとても綺麗で全体的に整っていますす。両端が吸い口になっており、イタリアでは真ん中を折って二つに分けて吸うようですが(喫煙時間が見た目よりかなり長いのでそれも頷けます)、一本そのままでも問題無いとの事で、折らずに火を付けてみました。

まず出始めに感じるのは、クリーミーで甘みのあるコクです。香りも甘く柔らかい感じです。主に柔らかみのある甘い風味のコクが中心です。個体にもよりますが、ドローは基本的に非常に重く、燃焼もとてもゆっくりで、オランダ製のハーフコロナサイズのドライシガーよりも長い気がします。すぐに火が消えますが、これはイタリアンシガーの特徴であるらしいです。火も付き難いのでターボライターが必要になるかと思います。

マイルドな口当たりで、辛さはほとんどありません。燻製のような独特の渋味がかすかにある気がします。

旨みはあまりありませんが、とても深みはある味わいです。同価格帯のパロディに少し似ている味です。ただ、パロディのように草っぽい感じはあまり無く、全体的に雑味が少なく、若干甘く、クリーミーなでパロディよりは味わいがある気がします。一時間以上愉しめ、そこそこ強さもあり、ボリューム面で物足りなさはありません。

試しにハサミで半分に切って吸ってみましたが、ベリーショートになった分、少しだけ辛さが出るようですが、不思議とすぐマイルドになりました。

乾燥していても辛味がほとんど無いので、加湿はしなくてもいい気がします。ドローが軽くてスカスカなくらいの個体のほうが軽快に燃えて味が濃くて美味しい気がします。強さは結構あるようですが、燃焼が遅いせいか、酔い難い気がします。

 

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